ムネサカ古墳(1号墳)

 古墳ファンの中では赤坂天王山古墳と共に圧倒的な人気を誇る、山中にある巨石古墳です。国道166号線沿いに解説板はありますが、行き方がサッパリ判らず過去に制覇された方の見学レポートを参考に4~5回挑戦し、それらしい所にたどり着くが、結局撃沈。とにかく道がない、獣道さえも・・。ところが近年林道がつけられ、このお陰で方向感覚が掴みやすくなり2007年にやっと制覇!!さすがに見応え十分!。見つけた時はあまりの嬉しさに、すぐ石室に入るのが勿体なくて、5分ほど、石室の前でお茶を飲んで、気持ちを落ち着け入った思い出があります。岩屋山古墳と双子の古墳ですが、ムネサカ古墳はワイルド感たっぷり!見つけた時の満足感は古墳好きにしかわからないもんですよね。こんな山奥のこんな場所によく築造したものだと改めて感動!!

おすすめ度(☆5.0)(必見!)

★所在地:桜井市粟原 県史跡

★墳形:円墳(径45m、高さ8m)南に開口。2段築成。埴輪はなし、茸石状の石材あり

★石室:両袖式横穴式(全長16.6m)玄室長約4.6m、高さ約2.4m、幅約2.7m、羨道長約12m、玄室内の床面には直径40cm前後の石が平坦に敷かれ、石床としていたようです。また壁面と天井石の間、及び床面の敷石の間に、漆喰がつめられていたような痕跡が認められます。羨道部は高さが1.4m。幅は玄門付近で約1.99mで、入口に行くにしたがって拡がっています。明日香村の岩屋山古墳と設計がほぼ同じで、同一工人集団が作ったと考えられています。(相異点は石材が岩屋山古墳の切石ほど精美でない事と、天井石が岩屋山古墳では玄室は1石、羨道5石に対し、ムネサカ古墳は玄室2石、羨道4石となり、羨道部の天井がやや短くなっています)

★棺:凝灰岩製石棺?(敷石の間隙から凝灰岩の破片が発見されている事より)

★出土遺物:?

★築造年代:7世紀前葉~中葉 

★発掘調査:なし

★被葬者:?(粟原寺創立の中臣氏との関連を指摘されています)

 

【参考文献】

・桜井の横穴式石室を訪ねて(桜井市教育委員会) 

・桜井の横穴式石室(桜井市教育委員会)

・論集終末期古墳 岩屋山式石室について(白石太一郎氏)

・古墳 -桜井市古墳綜覧ー( 小島俊次氏)

 

行き方 

この古墳は山中にあり夏場(特に7~9月)は避けた方がいいでしょう。場所によっては雑草や熊笹等が胸の近くまで生い茂り獣道は勿論、林道さえ見えなくなる事もありますし蛇やマムシにも注意が必要です。又雨の日は上り口の林道が急阪で非常にすべりやすいので梅雨時もご注意ください。