エンドウ山古墳

 探すのが大変な古墳ですが、古墳マニアの間では大変人気のある古墳です。なぜ人気があるかと言うと見つける楽しみと小ぶりながら綺麗な切石の横穴式石室が見られるという点にあるかと思います。倉橋溜池の周辺を巡る遊歩道に、「トンボ広場」という小さな広場があり、その脇の比較的熊笹の少ない所から尾根の頂上にある古墳を目指すのですが、遊歩道からわざと外れて、一人の怪しいおじさんが熊笹の中に突入する姿は、相当怪しく見えるでしょうね。(笑)背丈近くある熊笹や、倒木がいっぱいある道なき道を、目印のテープを頼りにすすみます。順調に行けば4~5分で到着するのですが、なかなかのもんです。しかし見つけた時の嬉しさは格別です。墳丘は径10m程の円墳で、小さな石室ですが「こんな綺麗な切石の古墳がこんな所にあるんや」と感動まちがいなしです!被葬者は女性かな?と思わせる上品な雰囲気がする石室で、この古墳は現地に行って、その良さがわかる古墳かと思います。おすすめです。尚、行かれる方は冬場がおすすめです。夏場は雑草で足元が見えにくく避けたほうがいいでしょう。 

おすすめ度(☆4.5)

★所在地:桜井市倉橋字吉ヶ谷

★墳形:赤坂天王山古墳の西南方、南東に向かって突出する標高160m前後の尾根上に造られた円墳(径10m前後、高さ約2.5m)南に開口しています。

★埋葬施設:花崗岩切石の両袖式横穴式石室(全長4.7m、羨道部長1.8m、幅1.1m、高さ1.2m、玄室部長2.7m、幅1.6m、高さ1.7m)玄室部は2段積みで天井部は2枚で構成され、石材の隙間に漆喰あり。羨道部は1段積みで、天井石は現状は1枚ですが、開口部付近に落下している石材を含め2枚あったと思われます。森浩一氏は「古墳と古代文化 99の謎」で大化の薄葬令関連で、この古墳は唐尺(1尺30㌢)の9尺☓5尺に近い事に注目されています。棺は不明。

実測図は桜井市の横穴式石室を訪ねてより

★出土遺物:不明

★築造年代:7世紀後半で倉橋溜池周辺の古墳では最も新しいと思われます。

★発掘調査:未(測量調査のみ)

★被葬者:?

 

【参考文献】

・桜井の横穴式石室を訪ねて(桜井市教育委員会)

・桜井の横穴式石室(桜井市教育委員会)

・万葉挽歌と終末期古墳(福島隆三氏)

 ・古墳と古代文化99の謎(森浩一氏)

 

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