くろま

黒駒古墳

おすすめ度(☆4.0)

  最初の見学の際、事前に五條博物館に立ち寄り出土品を見るなど学習バッチリで行ったのですが施錠されており、石室内には入れず。数ヵ月後なんとしても石室INしたくなり、ダメ元で五條博物館に確認した所、見学出来ますとの嬉しい返事。しかも黒駒古墳を発掘調査されたM学芸員さんの懇切丁寧な解説付き!感激しました。石室内は持ち送りが急で多少、圧迫感はありますが中に入らないと良さが実感できない事を改めて実感しました。またこの古墳の特徴の一つである柱石を観察できたのも収穫でした。

★所在地:五條市黒駒町

★墳形:円墳(径約10m、高さ約3m)

★石室:緑泥片岩製、 両袖式横穴式石室。全長.6.4m、玄室長2.9~3.0m、幅1.6~1.7m、高さ2m。羨道部長3.1m、幅1.2m、高さ1.1m。

★棺:陶棺

★出土遺物:須恵器、鉄鏃、鉄刀片、須恵質板状製品、須恵質脚形製品。

★築造年代:6世紀後葉(7世紀前葉に追葬か? )

★発掘調査:1999年~2000年(1998年の台風7号で墳丘上の椎の木が倒れ天井石が動き崩落寸前になった為に修復と保存を兼ねて調査されました。)

★被葬者:不明

          

メモ

・五條では比較的古墳の少ない阪合部(さかいべ)地区にある古墳。玄室入口(玄門部)に高さ1m、厚さ0.3mの板石を柱状に立て両軸を形成し、その石を羨道の壁よりも石室の内側に突出させている。そのため玄室と羨道の間にわずかな空間(長さ0.3m、幅0.9m)が出来る。このような柱列は紀伊ではよく見られる玄室の前道的性格の施設かと思われる。石材は同じ緑泥片岩製の古墳である下市町の岡峯古墳と比べ黒駒古墳の石材が一回り大きい。

・陶棺は現地説明会当時は追葬時の棺とされていたが現在は築造時のものと訂正されている。尚、この陶棺の一部と思われる須恵質の板状出土品に線刻画が描かれているものが発見された。

 

【参考文献】

・黒駒古墳(リーフレット) (五條市教育委員会)

・吉野川紀行 橿原考古学研究所付属博物館 春季特別展

・現地解説板

 

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