ささお
メモ
この地域最大の横穴式石室で、国立療養所の建設時に古墳と分から埋められてしまい、1981年の増築中の基礎工事の際に発見され、平安時代から室町時代にかけて墓や祭祀、信仰の場として再利用された形跡がありました。石室内は相当荒らされ築造時の副葬品は須恵器しか発見されていませんが、追葬時の副葬品は良く残り、多量の水銀朱や石帯、木棺の釘、火葬時のものと思われる丸太組等が発見されています。実見できる大和郡山市の古墳では、一番存在感のある古墳で、墳丘はかなり削られてますが素晴らしい石室が残っています。龍田川周辺の黒雲母花崗岩という独特の色合いの石材で、エキゾチックな雰囲気をかもし出す印象に残る古墳です。石室の石材に興味のある方は見ておくべき古墳と思います。ひとつ知りたいのは家形石棺の残骸はその後どうなったのか?・・・ご存知の方がおられましたら教えてください。尚、見学は自由ですが一応病院の敷地内ですので失礼の無いようにお願いします。
おすすめ度(☆4.0)
★所在地:大和郡山市小泉町米田
★墳形:円墳(径27m)発見時に墳丘はかなり削平されていた。南に開口している。
★石室:両袖式横穴式石室(全長12.5m、玄室長4.5m、幅2.6m、高さ2.6m、羨道長8m、幅2.m、高さ1.8m)石材は龍田川周辺のの河原石
★棺:二上山鹿谷寺付近産出の凝灰岩の家形石棺(但し破片のみ出土、内部に朱が塗布されていた)
★出土遺物:須恵器
★築造年代:6世紀末から7世紀はじめ
★発掘調査:1982年
★被葬者:不明
【参考文献】
・日本の古代遺跡 奈良北部(中井一夫氏)
・現地解説板
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