🌸 5.隠国の神々 (桜井市初瀬)

初瀬に坐ます神々(桜井市初瀬)

初瀬は萬葉集では枕詞の隠国(こもりくの)で知られる長谷寺の門前町として賑わっています。その長谷寺に向かう途中にも、今からご紹介する、いろんな神々が鎮座されています。 

長谷山口坐神社 

は旧指定村社。延喜式の式内大社で大山祇神(おおやまつみのかみ) を主神とする大和六山口社(飛鳥、石寸、忍坂、長谷、畝傍、耳成)の一つで正倉院文書の「大和国正税帳」の天平2年(730年)の記事にもその名前がみえる古社です。 初瀬川にかかる朱塗りの橋を渡り鳥居をくぐり石段をのぼると社殿の前につきます。そんな大きな社ではありませんが上段にある檜皮葺の春日造の本殿はそれなりの存在感があります。、ご存知の方は案外、少ないのではないかと思いますが是非立ち寄ってほしい神社です。

白髭神社 

法起院の向かい側に鎮座する旧指定村社。奈良時代の749年(天平勝宝元年)に創建(鎮座)された神社です。

 

祭神は「猿田彦命(さるたひこ)」と「市杵島姫命」の二座。桜井市史によると地元では普請方除の神様といい、俗に「礼荷(らいふ)さん」と呼んでいる。その他稲荷社と山の神(自然石)を祀る。例祭は12月15日。なお、この神社を「長谷寺密奏記」がいう三尾神にあて近江国高島三尾崎の神とし、長谷寺本尊の衣木が流れ出たところとする因縁で祀られたとする説があるという。

 

與喜天満神社 

神社の背後に見える山は「天然記念物与喜山暖房林」といわれる原始林に覆われた與喜山(標高455m)でその山麓に日本最古天神の與喜天満(よきてんまん)神社が鎮座しています。祭神は学問の神様として知られる菅原道真公で道真公の先祖・野見宿禰は、ここ初瀬の出雲の出身で、初めは土師氏と称し道真公にとって初瀬は遠祖からのふるさとだったのです。この地に天神が鎮座したのは,『長谷寺験記』によれば平安時代の946年(天慶9年)で、後に初瀬の地域の神としても信仰されるようになります。

 

神社が所蔵する天神(菅公)座像の体内には正元元年(1259年)の墨書銘があり現存最古のものといわれており平成23年に奈良国立博物館で「初瀬にいますは与喜の神垣ー與喜天満神社の秘宝と神像」と題し特別公開されています。なお、現在の社殿は、江戸時代後期の1818年(文政元年)に長谷寺によって再建された建物です。境内には磐座等もあって古をを感じさせてくれる神社なので是非、足を延ばしていただければと思います。

 素盞雄(すさのお)神社

泊瀬川(初瀬川)を挟み長谷寺の対岸の與喜山の山麓にある旧村社です。見所はこの神社にくる途中の石段から見える長谷寺の全景で特に桜や紅葉のシーズンにはおすすめの隠れスポットかと思います。

また神社の境内にそびえ立つ銀杏の巨木も見ものです。県の天然記念物に指定されており幹回りがおよそ7.2m、高さが40mほどあって、そそり立つその姿は壮観そのものです。この神社は社伝によると天暦年間に與喜山に菅原道真公を祀った時に、與喜山は天照大神が降臨した地なので弟神の素戔雄の霊も鎮めなければならないとの事でこの地に社殿をかまえたとの事である。その後祇園信仰の高まりから明治維新までは宮寺を置き牛頭天王を祀り、「ごってらさん」の俗称で呼ばれ親しまれていたという。