🌸33.百済大寺跡(桜井市吉備)

 吉備池廃寺跡は,桜井市吉備にある古代寺院跡です。この地には吉備池という江戸時代に造られた溜池があり池の東南の隅と南辺の堤に大きな土段で瓦片が見つかることで知られていました。この地に初めて発掘のメスが入ったのは1997年で池の護岸工事に伴い桜井市教育委員会と奈良文化財研究所で共同調査が行われました。

 

 そして池の東南の隅の発掘調査で巨大な(東西37m、南北28m、高さ2m以上で版築工法で作られている)金堂の基壇が検出されました。そして翌年には金堂跡の西方50mでも突出した規模の塔跡(一辺30mで金堂と同様、版築工法で作られ、高さ2.8m)が確認されています。以降も中心伽藍や周辺部の調査で伽藍の様子が明らかにされてきました。寺院は南面し中心伽藍は東に金堂、西に塔を置き、両者を回廊が囲み中門は金堂の前(中軸線の東寄り)で検出され、左右対象でない伽藍配置が確認されています。金堂、塔基壇は当時の寺院の中では突出した大きさで,特に塔の基壇は,文武天皇の時に建立された大官大寺に匹敵する規模であることから九重塔(高さは80~90m)であったと考えられています。創建時期は出土した瓦から,7世紀前半頃と考えられています。  

 

吉備池廃寺はこれらのことより単なる氏寺ではなく公的な性格を持った寺院と考えられ舒明天皇によるわが国、初の国家寺院である百済大寺(639年発願、673年移築)の可能性が指摘され2002年3月に国史跡の指定を受けています。