🌸 2.隠国の棚田 (桜井市 吉隠、狛・岩坂ほか)

吉隠(よなばり)

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 吉隠は桜井市の東端の宇陀市との境に位置する渓谷の集落です。棚田の美しさで知られ大和路の写真家として知られる入江泰吉さんも棚田に降り積もる雪を題材に名作を残しています。また吉隠は万葉集に数首詠まれていますが中でも穂積皇子が最愛の人、但馬皇女を偲んで作った万葉集巻2の「降る雪はあはにな降りそ吉隠の猪養の岡の寒からまくに」は万葉集の名歌として知られています。棚田の他に、おすすめは国道165号線から約700mほど登ったところに万葉歌人としても知られる志貴皇子(のち追尊して春日宮天皇)の妃、紀橡姫(同様に追尊して春日宮天皇妃)の陵で奥深い森の中でひっそりと眠られています。(但馬皇女という説もあります。) 

狛・岩坂

狛と岩坂は国道165号線を初瀬に向かう途中、桜井東中学の裏を北に向かって入り近鉄線の高架を抜けると山裾一帯に広がる棚田が見えてきます。子供のころ見た農村風景がそのまま残っているかのようにかんじる隠国の隠れ里です。狛・岩坂は、この二つの集落を縦断して北に流れる狛川の上流に位置し、主に西岸が岩坂、東岸が狛といった感じでしょうか。 

岩坂でのおすすめは奈良一刀彫の第一人者、高橋勇二さんのギャラリーです。(事前申込必要)気軽に素晴らしい作品の数々を素敵な環境の中で見せていただけます。ここから更に登った上岩坂の集落に十二神社が鎮座します。泊瀬朝倉宮の営まれた場所の伝承を持ち境内前の銀名水という井戸は、奈良時代からの名水で知られ、江戸時代に書かれた「大和名所図絵」にも紹介されています。十二神社から次は狛と宇陀をつなぐ狛峠に向かいます。万葉歌人、柿本人麻呂も通ったと言われる峠で眼下にひろがるパノラマ写真のような棚田の風景に疲れも忘れて見とれてしまうことでしょう。

 

桜井市には、この他にも初瀬方面では出雲、白河(しらが)忍阪方面では粟原、下り尾、忍阪など明日香ほど知られていませんが素晴らしい棚田がたくさんあり四季それぞれの素晴らしい景観が楽しめます。